アンカーのミドルシニア社員の松本です。今回は広告のコピーについて書きます。
テレビコマーシャルや新聞広告やインターネット広告などの広告制作物は、映像や写真などの視覚的な表現と、言葉による表現で構成されています。
その言葉による表現はコピーと呼ばれ、広告主が消費者に伝えたい想いが込められています。
1993年、JR東海が京都への観光客誘致のキャンペーンを始めました。
その時のコピーが「そうだ 京都、行こう。」です。
30年経った今でも使われている、有名なコピーです。
このコピーは、リマインドの言葉だそうです。
リマインドとは、思い出させる、思い起こさせるという意味で、
つまり、「そうだ ○○しない。」「そうだ ○○に行かない。」という呼びかけです。
京都という街については、今さら説明する必要もない。
修学旅行の定番でもあるので、日本人であれば1回くらいは、京都に行ったことがある。
そのことを前提とすると、潜在的な京都への憧れ的な想いを、
呼び起こす言葉が効果的ではないか。
おそらく、その様な考えから、このコピーは生まれたのだと思います。
だけど「そうだ 京都に、行こう。」では、当たり前すぎて、ただの言葉です。
「そうだ 京都、行こう。」で、コピーになります。
このちょっとした言葉使いが、コピーのキモになります。
しかも、平易で、短い言葉で表現します。(普段使わない難しい言葉や長い言葉は、心に響きません)
だから、コピーを書くのは難しいのです。
因みにこの京都キャンペーンは、東海道新幹線沿線に住んでいる人たちがターゲットです。つまり、京都に行くのに東海道新幹線を利用する人たちです、よって、関東地方、東海地方のみの展開です。全国展開のキャンペーンではありません。
当然、京都では展開しませんので、京都の人たちは、自分の住んでいる街が、毎年、どのように紹介されているか知りません。