2025年問題

すぐそこにきている2025年問題

「2025年問題」とは、団塊の世代( 戦後の第一次ベビーブーム期(昭和22年~24年)に生まれた世代)が、75歳以上の「後期高齢者」になることにより、いよいよ発生するであろう様々な問題を総じて言っているものです。

団塊世代は合計800万人。現在約1,700万人の後期高齢者人口が、2025年には約2,200~2,300万人に膨れ上がると試算されています。

では一体、どんな問題が発生するのでしょうか?

階段を降りる高齢者と介護する若者

まず、国内の医療費総額は現在の44兆円よりも10兆円増え、約54兆円程度になると言われています。

また、社会保障費全体では現在の123兆から17兆円強増額、140兆くらいに。更に2040年には190兆になると予測されています。超高齢化により、医療も介護も、給付総額が爆発的に増大します。

社会保障費増大はそのまま現役世代の負担増となりますが、ご存知の通り生産年齢人口(15歳以上65歳未満)は減少しているので、現役世代もいずれ負担に耐えられなくなります。国が「働き方改革」で「生産性向上」を進めようとしているのも、この問題を目前に控えているからといっても過言ではありません。

一方、現役世代だけではなく、高齢者にとっても大きな問題があります。社会保障の崩壊から、医療保険や介護保険が今のレベルを維持できなくなることが容易に想像がつきます。特に人口が集中している都心部の高齢者は、医療や介護の人手不足からサービスを受けられない人が出てきてもおかしくないですね。介護業界はいまAIや介護ロボットの導入を懸命に進めているため、業務効率の向上には期待したいところです。

お金がかかる医療や介護、これに対して高齢者の意識は以前よりも少しずつ高まりを見せています。「介護予防」という言葉はまだ聞きなれない言葉ですが「健康寿命延伸」は誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。

生涯医療費の自己負担額の平均は500万円と言われていますが、いずれも半分以上は70歳を超えてから使われています。介護費用については、在宅介護で平均500万以上がかかります。施設介護ともなるとその何倍もかかることになりますから、総額にしたら相当の負担額となります。

2025年は象徴的な年ではありますが、このようなお話は今後20年以上は続いていきます。単に高齢者の問題ではなく、日本全体の大きな課題が目の前に横たわっています。

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