多様性の黎明期

「廃墟」というワードを聞いて、あなたは何を感じますか?

ワクワクする? これは、かなり廃墟マニアな方でしょうね。

私はワクワクまではしないですが、どんな廃墟なの?見てみたいという感情にはなります。

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ワクワクして仕方ないという廃墟マニアの方たち。彼らが廃墟に惹かれるポイントは、あくまで私見ですが以下のようなことではないかと思います。

  • 歴史と謎解き:廃墟マニアの方たちは、廃墟の中に過去の物語や歴史的な背景を見出すことに魅力を感じている。建物や施設がなぜ放棄されたのか、どのようにして崩壊したのかを探求し、謎を解くことが楽しみである。
  • 美的感覚:廃墟の美しさや荒涼とした雰囲気に惹かれている。荒廃した建物や自然が徐々に取り戻す景観を美しいものとして捉えている。
  • 冒険と探検:廃墟探索は冒険的でリスクを伴うことがあり、廃墟マニアは冒険心旺盛な人と思われます。彼らは新しい場所を探し、探索することを楽しんでいると思います。
  • 写真芸術:廃墟マニアの多くは写真撮影に情熱を持っており、廃墟の美しさを写真に収めることを楽しんでいます。廃墟の写真をアートの一形態として考えているのではないでしょうか。

これら以外に、心霊スポット的な意味合いでの興味、関心があって、というポイントも含まれると思います。

ちなみに、私が廃墟に興味を感じているポイントは2番目の美的な観点と1番目のなぜ放棄されたのかという謎を知りたいという好奇心であります。

美的な観点でいうと、「工場萌え」といわれるライトアップされた工場の景観にも同様の興味を持っています。言うなれば、廃墟や夜景の中の工場に「美」というものを感じているからでしょう。

「美」の多様性

「美」については、古の哲学者たちは「美」は客観的で普遍的なものであると信じ、「美」には特定の原則が存在すると考えました。これが「美学」の起源となる思想です。

そして、現在における美学にも、芸術やデザインにおいては、特定の原則や規則が美的な価値を持つとする考え方は継続して存在していますね。美が客観的な要素も持つという立場です。いっぽうで、美は個人の感性や視点に依存し、人それぞれ異なる。一人の人にとって美しいものが、他の人にとっては美しくないかもしれない。すなわち、美は主観的な要素が強いとする考え方も強くなってきています。

美の概念が多様でありながらも、客観的な共通の基準や美の法則が存在するという考え方。これが、多様であるものを枠に無理矢理はめ込み、見た目だけで優劣を決めようとするステレオタイプのミスコンなどを推進してきたのではないでしょうか。

ニューヨーク・タイムズ誌では「日本の大学のミスコンは『知性よりうわべを重視』している」と報道されたことがあります。これは、世界的なコンテストであるミス・ユニバースが運営組織はもとより、選考基準も劇的に変化して、多様性にあふれた女性の大会になったと評価されたことを受けての記事であるのかなと思いました。

確かに、それなりの人数の人が惹かれる「美」には何らかの共通性、規則性のようなものは存在するのではないかと思います。しかし、これまでのように統計学のデータだけを基にしていては、多様性の時代に確実にヒットする「美」を作ることは難しい状況であります。

美の探求とマーケティング

プロダクトやサービスとユーザーとの距離をどう縮めるか。

これは「美」の探究と同じであり、マーケターとしては、あらゆる感性のひだを常にアップデートしていかなければならない課題に奮闘し続ける今日この頃であります。

長々とした駄文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ご挨拶が最後になってしまいましたが、今年の7月にアンカーに入社しましたプレシニアの松永が今回の投稿を担当させていただきました。

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